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FIT制度は再生エネルギーの活用を推進するために設けられた制度であり、2009年からスタートしました。FIT制度では太陽光発電システムの導入時期に応じて電力会社が電気を買い取ってくれる価格が固定(固定価格)されており、太陽光発電システムを導入して利回りや売電によるコストメリットをシミュレーションする基準としても活用されていました。
一方、FIT期間が10年と設定されていたことから2019年を境としてFIT期間を終了する家庭も増えており、またFIT期間が満了後は売電の固定価格が解消されるため、現実的に売電価格が下がってしまうこともポイントです。
電力会社 | 余剰電力買取価格 |
---|---|
北海道電力 | 8円/kWh |
東北電力 | 9円/kWh |
東京電力 | 8.5円/kWh |
北陸電力 | 8円/kWh |
中部電力 | 8円/kWh |
関西電力 | 8円/kWh |
中国電力 | 7.15円/kWh |
四国電力 | 7円/kWh |
九州電力 | 7円/kWh |
沖縄電力 | 7.7円/kWh |
※上記は2022年5月時点の一例です。
FIT制度は正式名称を「再生エネルギーの固定価格買取制度」と呼び、個人や事業者が再生可能エネルギーによって発電した電力について、一定期間は一定価格(固定価格)で電力会社が買い取ってくれると約束されている制度です。
FIT制度は再生可能エネルギーの活用促進を目指す国によって2009年に導入された制度であり、例えば2019年に太陽光発電システムを導入して売電を始めた家庭であれば、2019年までは最初から最後まで同じ売電単価(48円/kWh)で電力会社が必ず電気を買い取ってくれることになりました。
FIT価格によって設定されている売電価格は年々低下しているものの、一方で太陽光発電システムなどの設備について高性能化・高機能化が進んで発電量が増加しており、FIT価格が低下したからといって必ずしも売電による売上が減っていなかったことも重要です。
しかしFIT期間が満了になれば売電の固定価格買取についても強制性が解消されるため、売電単価が一気に減額されることも想定されます。
FIT期間が満了して「卒FIT」を迎えた後、太陽光発電システムによって発電した電気をどのように扱っていくべきか、改めて考えることが必要となります。
卒FIT後も従来の状態をキープするといった人は少なくないようです。これは電力会社の変更に伴う諸手続が面倒であったり、そもそもどのように変更して良いのか個人ではなかなか判断できなかったりといった理由も根底にあるでしょう。
しかしFIT価格よりも売電価格は大きく減少するため、家庭の利益を考えれば再検討することが無難です。
卒FIT後も継続して太陽光発電システムで発電した電気を売り続けるとして、新しく電力会社を見つけて販売先に変更する場合があります。これは電力会社によって電力の買取価格が異なっているためであり、場合によっては卒FITによる損失を最小限に抑えられる可能性もあります。
ただし、そのためには電力を売る相手として複数の電力会社(売電会社)を比較検討しなければならず、また契約期間や切り替えに伴うコストについてもトータルで検討しなければなりません。
これまで太陽光発電システムによって余っていた電力を売っていた家庭が、蓄電池を導入することにより、夜間や悪天候時など太陽光発電システムが十分に作動していない時の電力を蓄電池によってカバーするといった方法も検討できます。
また蓄電池のメリットとして、災害時のように電力会社からの電力供給がストップした場合でも、インフラを自分で用意できる強みがあるでしょう。
売電することも自家消費することもない場合、余った電気はどうなるのでしょうか。これについては「一時的な受け皿」として一般送配電事業者が無償の引き受けを担うと定められており、要するにせっかく自宅で発電した電気がタダで業者に引き取られてしまうといったことを意味します。
そのため、売電先を再検討するにも蓄電池の導入を進めるにもコストや手間がかかるものの、発電した電気を無償提供するよりは売電や自家消費を考える方がお得になると覚えておいてください。
余った電気の活用法として、電気自動車を購入して、自宅に充電設備を設置するといった方法もあります。
電気自動車の動力を自家発電によってまかなうことができれば、年間の移動交通費を節約できるかも知れません。
しかし、現実的には充電設備の導入やシステムの保守、そもそも電気自動車の購入コストといった様々な費用が発生するため、よほど予算に余裕のある場合か、慎重かつ長期的にシミュレーションしない限りはなかなか難しくなることが考えられます。なお、電気自動車のコストを考える場合は、蓄電池の機能低下と交換費用についても調査しておきましょう。
FIT期間が満了するに伴い、それまでのFIT制度によって安定買取を期待できていた環境から、自分なりに発電した電気の使い道や買取先を考えなければならない状況になります。
一方、売電先となる電力会社の再検討を行おうにも、卒FITによって売電単価が大きく下がる事実は避けられません。そのためせっかく発電した電気を無駄にせず、今後も効果的にコストメリットを追求していく手段の1つとして、蓄電池を導入して電気の自家消費を考えることは大切です。
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