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自然災害の多い近年の日本では、停電の発生により日常生活がままならなくなることが珍しくありません。
こういった場合に備えて自宅に太陽光発電や蓄電池を備える人が増え、マンションなどの集合住宅でも、蓄電池が設置されている物件は注目を浴び始めています。
ここではマンションに蓄電池を導入するメリットを解説します。
現在のところ、太陽光発電や蓄電池が設置されたマンションはまだ決して多くありませんが、東京や大阪などの大都市では徐々に増えてきています。
また、防災意識の高まりやSDGsの盛り上がりによる入居者のニーズを受け、今後もマンションへの蓄電池導入は増えていくものと思われます。
太陽光発電や蓄電池を際のの電力の用途としては、大きく「電力会社へ売る」「使用する」があり、組み合わせての利用も可能です。
太陽光発電で得た電力は、以下の制度によって電力会社に買い取ってもらうことができます。
なお、売電価格は10年間固定となりますが、年々単価が下がってきている点には注意が必要です。
マンションにはエレベーターや廊下など多くの共用部分があり、そこにかかる電力はオーナーが支払うことになります。
太陽光発電や蓄電池で得た電力は、こういった共用部分の電気として使用することもできます。
特に、照明は夜通しついていることが多いので、昼間に蓄電しておいた電力を夜間に使えばとても効率的です。夜間の停電などの場合にも、最低限、共用部分の照明がついていたりエレベーターが動いていたりすることで、入居者に安心感を与えらえるかもしれません。
太陽光発電した電気を蓄電池に貯め、入居者に割り当てて使ってもらう方法もあります。余った電力はオーナーではなく各入居者に売電の権利を有します。
入居者からすれば、自分でコストをかけることなく蓄電池の恩恵を受けることができ売電収入まで期待できるのですから、物件の条件としては非常に魅力的でしょう。
一方でオーナーにとっては、物件の価値を高めることで入居率が上がったり、家賃を高めに設定できたりというメリットがあります。
太陽光発電や蓄電池を導入したマンションにオーナー自身が住んでいる場合、オーナーのみがその電力を使うこともできます。
オーナー宅では電気代の削減になりますし、余った電力を売電することで家賃以外の収入も見込めます。
このように、太陽光発電や蓄電池を導入した場合には複数の利用方法が考えられます。
ここからは、利用による具体的なメリットを見ていきましょう。
太陽光発電した電気の売電にすることにより家賃以外の収入を得られることは、大きなメリットです。
直接的な収入に限らず、共用部分で電気を使う場合やオーナー宅で電力を使う場合の電気代削減についても、間接的な収入であると考えられます。
一般的に、マンションの屋根は面積が広く日当たりの良いスペースです。
しかし安全面から屋上として開放することはできず、持ち腐れとなっているケースも多いのではないでしょうか。
この屋根に太陽光パネルを設置することでスペースを有効活用できますし、最上階の部屋に断熱効果ももたらされます。
防災とSDGsの意識が高まる近年、マンションを探す人にとって「災害時のバックアップ」や「省エネ」といった条件を満たす物件は魅力的です。
なお防災に関しては「停電時に電気が使える」ということだけでなく、水害時の避難という側面も見逃せません。
危険が迫る場所から可能な限り遠くへ逃れる「水平避難」に対し、上階へ逃れることで安全を確保する「垂直避難」という考え方があり、マンションはこの垂直避難に適しています。
共用部分の照明をはじめとする電気が通常通り機能していればこそ、安全に垂直避難が行えるのです。
太陽光発電や蓄電池には多くのメリットがありますが、反面デメリットもあります。
蓄電池の導入を検討する際には、双方をよく検討することをおすすめします。
太陽光発電と蓄電池には導入に多額の初期投資が必要になり、回収までには長い期間がかかります。
さらに初期投資だけでなく、定期的なメンテナンスや、最終的に廃棄する際の費用も安くないことを忘れないようにしましょう。
屋上の広さや太陽光パネルの種類にもよりますが、戸数の多いマンションの場合、全世帯へ供給するほどの電力を発電することはかなり難しいと言えます。
現実的には、共用部のみに太陽光発電の電気を使用し、そのことにより可能であれば管理費削減などとするのがいいかもしれません。
太陽光発電や蓄電池を導入する際、それが新築時なら問題はありませんが、既に入居者がいるケースでは難航する可能性が考えられます。
太陽光発電や蓄電池の設置には工事が必要となり、工事を行うには入居者全員の同意が得られなければならないためです。
導入による入居者へのメリットを説明して理解が得られれば良いのですが、一時的とはいえ工事車両の出入りや騒音があることに難色を示す入居者もいるかもしれません。
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